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NO.10620022

経済学基礎

0 名前:あさひ:2005/06/17 18:18
マクロ経済において財政政策を発動するときには、クラウディング・アウト
効果を注意しなければなりませんが。このクラウディング・アウトとは何ですか
?その発生メカニズムを理論的に説明、アドバイスください。
1 名前:匿名さん:2005/06/28 13:30
財政政策が発動されると、それは乗数効果を通じて国民所得に影響を与える。
したがって、財政政策の効果をはかる場合には、この乗数効果の大きさを見ればよい。
乗数効果に影響を与え、それを低めるように働くのがクラウディング・アウト効果である。
クラウディング・アウトとは、政府部門の需要の増加が民間部門の需要の減少をもたらし、
その意味で政府の経済活動が民間の経済活動を「締め出す」現象をいう。

クラウディング・アウトが起こる可能性は3通り考えられる。
第一は、今まで民間で供給されていた財・サービスを政府が代わって供給する場合に生じる、
直接的なクラウディング・アウトである。たとえば、学校給食の実施や病院の公営化が考えられる。
このようなケースでは、政府支出の増加分だけ民間部門の支出が減少するため、乗数効果は働かない。
すなわち、政府支出が増加しても、国民所得の水準には変化がない。
第二は、取引に基づくクラウディング・アウトと呼ばれるものである。
これはIS-LM分析のフレームワークで、LM曲線が右上がりである限り生じるクラウディング・アウトである。
すなわち、政府支出増により乗数効果が働いたとしても、国民所得の増加とともに利子率が上昇し、
民間投資が抑制されることから乗数効果は弱められる。国民所得の増加にともなって利子率が上昇するのは、
取引動機に基づく貨幣需要が増大し貨幣市場で超過需要が生じるからである。
第三はポートフォリオ・クラウディング・アウトである。
これは政府支出増が公債でまかなわれる場合に生ずる。公債の発行は、債権供給の増加を意味するから、
資産市場で公債の超過供給をもたらし、債券価格が下落し、利子率が上昇する。
利子率の上昇は民間投資を抑制し、クラウディング・アウトを生じさせるのである。

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